2020年10月11日、12:00~12:55、BS朝日1で、『百年名家~築100年の家を訪ねる旅~』がオンエアされることになっています。
そんな『百年名家~築100年の家を訪ねる旅~』で取り上げられるのが、建築家の西村伊作さん。
この西村伊作さんとは、どのような人物で、建築家として、どういうふうに歩んできたのでしょう。
この記事では、そんな西村伊作さんの建築家としての経歴をお伝えしていきたいと思います。
また、西村伊作さんの自宅、記念館についても、場所などを確認していきましょう。
さらに、西村伊作さんといえば、文化学院を創設したことでも知られている人物ですので、その理由は何だったのかも、調べてみました。
1.西村伊作の建築家経歴
『百年名家~築100年の家を訪ねる旅~』は、2020年10月11日、12:00~12:55、BS朝日1において、放送される予定です。
番組内では、建築されてから100年以上経っている家に行ってみて、その家に暮らしている家族が紹介されることになっていました。
今回は、数々の家を建築してきた、建築家の西村伊作さんの自宅を訪問するという内容。
出演者は、八嶋智人さん、牧瀬里穂さん。
案内人は、内田青蔵さん、木田三保さん。
ナレーターは、中里雅子さんです。
西村伊作さんは、1884年9月6日、和歌山県の出身。
1891年、濃尾地震によって、両親が犠牲になり、自身も重傷を負ってしまって、若くして、大変な苦労をすることになった、西村伊作さん。
成長すると、一時は政治活動にも明け暮れていたものの、やがて建築家として自宅を建築し、与謝野鉄幹、与謝野晶子など、有名な芸術家たちと親交を温めていくことになりました。
そして西村伊作さんは、1920年に、西村建築株式会社を設立します。
その後は、与謝野鉄幹、与謝野晶子の『明星』において、建築関係の連載を行うなど、ますます建築に邁進していきました。
西村伊作さんはやがて、1921年、専修学校である文化学院を設立。
文化学院の校舎はもちろん、西村伊作さん自身によって建築され、海外を意識した構造によって、おおいに注目を集めることになったのです。
そんな文化学院では、与謝野鉄幹、与謝野晶子をはじめ、菊池寛、川端康成、有島武郎、芥川龍之介、遠藤周作、高浜虚子、美濃部達吉といった人々が教員となって、評判になりました。
が、文化学院は1923年の関東大震災で全焼してしまい、西村伊作さんも1943年、不敬罪で投獄されて、文化学院に閉鎖命令が出るなど、苦難の道も歩むことに。
その後、太平洋戦争後になって、文化学院はようやく、授業を再開することができたのです。
そして、そんな西村伊作さんは、1963年2月11日、78歳の生涯に幕を閉じたのでした。
2.西村伊作の学歴
それでは、西村伊作さん自身の学歴は、どうなっていたのでしょうか。
西村伊作さんの母校は、明道中学校でした。
明道中学校というのは、かつて、広島県広島市にあった、私立の旧制中学校です。
おもだった出身者には、西村伊作さんのほかに、海軍少将の黒島亀人さん、演歌歌手の石田一松さんなどといった人々がいました。
3.西村伊作の自宅や記念館の場所
2020年10月11日の『百年名家~築100年の家を訪ねる旅~』では、西村伊作さんの建築した自宅が取り上げられますが、実はここは彼の記念館でもありました。
その名も、旧西村家住宅、そして、西村伊作記念館。
文化学院の校舎同様、こちらも海外を意識した構造になっていて、実に瀟洒です。
邸内には、絵画や陶器といった西村伊作さんが作ったものが多数、展示されていました。
そんな西村伊作さんの自宅・記念館の場所は、和歌山県新宮市新宮7657。
2020年6月26日には、リニューアルオープンしていますので、これはぜひ、1回は来訪してみたいものですよね。
4.西村伊作の文化学院創設理由
さて、文化学院の設立者として、あまりにも有名な、西村伊作さん。
それでは、西村伊作さんが文化学院を設立した理由とは、何だったのでしょうか。
それは、自身の長女の進学のためでした。
西村伊作さんは、長女が小学校を卒業すると、進学先を調べてみるものの、納得できる学校が見つからなかったのです。
そこで、みずから学校を作ることを考え、与謝野晶子らにこの構想を話し、理解を得られたのでした。
こうして1921年、はれて文化学院が発足することとなったのですね。
そんな文化学院は、運営するうえで必要な資金は全部、西村伊作さんがまかなったとのこと。
いくらなんでも、これは、あまりの教育熱心さに頭が下がるというものでしょう。
西村伊作さんは、建築家としてはもとより、画家、陶芸家、詩人など、多様な活動で知られている文化人です。
それだけに、研究してみる価値は、きわめて高いといえるのではないでしょうか。
2020年10月11日には、『百年名家~築100年の家を訪ねる旅~』を視聴して、そんな西村伊作さんを、あらためて見つめ直してみたいですね。